不惑わくわく日記

大阪でコンサートをあさっています。

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爽快極まりない「復活」・・・京都市立芸大定期

広上さんのマーラーは、実は初めて。

京都 京都コンサートホール
京都市立芸術大学音楽学部第136回定期演奏会 〜更なる復活〜
広上淳一指揮 
管弦楽/京都市立芸術大学音楽学部管弦楽団及び卒業生(真声会) 京都市立堀川音楽高校生
合唱/京都市立芸術大学音楽学部合唱団及び卒業生(真声会)・市民有志
ソプラノ:上野洋子 アルト:馬場菜穂子
マーラー:交響曲第2番「復活」

突然、お義母さんから招待状をいただいて行くことになった演奏会。「マーラーやし、どう? 好きでしょ?」ああああ、すみません、こんな極道な義理の息子の趣味を憶えていてくださって。恐縮至極に存じます(^^;;)

さて、そんなこんなで予定になかった演奏会でしたが・・・・結果は、実に壮麗、かつ爽快な「復活」。ある意味、祝祭感の横溢したもので、演奏に関わったスタッフ・演奏者、そして聴きに駆けつけた関係諸兄にとっては、これ以上はない出来映え、と思います。

オケの音に関して言えば、20型(20-18-14-12-10の、それこそ舞台を覆い尽くさんばかり)の弦セクションの音が予想を上回る響き。ヴィオラなど、京響を上回る音を出す(京響には辛口ですが)。こういう音大の学生オケの弦の音っていうのは、しばしば響きが固くって潤いに欠けることが多いのだが、どうしてどうして、なかなかの表現力。ただ、若干引き出しが少ない嫌いがあって、ときどき単調に傾くところ無きにしも非ずだが、それは些細なこと、と思わせるだけの迫力です。5楽章の前半部における、マッシブなサウンドなど、おおおおおお、やるじゃあないの、と唸ってしまいました。

それよりなにより、ブラスセクションの優秀なこと!!特に、ペット!(トップの音の何と透明で良く通ることだろう!!)京響の早坂さんが指導に当たっておられるようだが(舞台にものっておられました)、いやあ、このごろの日本のブラスの層の厚さというものをまざまざと見せつけられた気がしました。これだけの人材がいるんやったら、もうちょっと大フィルのブラス、良くなってもよさそうなものなのに、と思ったのは余計かもしれませぬが(苦笑)。でも、京響のブラスの優秀さは、きっと、こういう基盤の上に成りたっているのだろうなあと思いました。

合唱も、ソプラノ78・アルト54・テノール25・バス29の200人近い大合唱で迫力満点。ただ、ちょっと発声がはきはき・しゃっきりしすぎで、味わいに欠けるところ(特に出だしなど、もっと神秘的に入ってきてほしかったなあ)無きにしも非ず。でも、「私は勝ちえた翼を拡げ」からの掛け合いなど、これだけの人数ならではの盛り上がりで、最後の最後、「Auferstehen! Wirst du, mein Herz! Im einem Nu!」のくだりの「Im einem Nu!」の音圧には、思わず鳥肌。いやあ、これぞ「復活」。

コーダのオケサウンドも、なかなか熱い中にもしっかり整理されていて、響きはそれほどに混濁を見せずに良く鳴っていて、気持ちが良かったですね。ここは、かなり広上さん、神経を使ったと見えます。

ただ、独唱はアルトが弱かった。これは、仕方がないかなあ、大学院の学生さんとのことだったが、ソプラノを取った先生との間に実力差があまりにありすぎる。ちょっと可哀そうだったですね。

まあ、こういうところ以外にぐすたふくんが感心したのは、実は3楽章。広上淳一の真骨頂は、実はここにあったと思うなあ。まあ、なんて気の利いた、小粋な演出だろうか。いろんな音や音響が、そしてこれまで鳴ってきた旋律とこれから鳴ることになる旋律とが、錯綜しつつあちらこちらから聴こえてくるのがこの楽章の魅力なのだが、それを実に面白く、チャーミングに鳴らしつつ、そして実はこの「復活」、この3楽章を転回点としたシンメトリー構造なのだということをまざまざとわからせてくれる。こういうことを、明瞭に聴かせる演奏も少ない、と聴きました。こういう楽曲の理知的な扱い、広上淳一独特の味でありますな。

でも、こういう「広上節」でダイナミック・壮麗かつ理知的に斬って捨てるマーラーを堪能しつつ、一方でぐすたふくん、ちょっと物足りないなあ、と思っていたのも事実なんですよ。いつもながら、マーラーには辛いなあ、と自分でも思うんですけどね。ちょっと「即物的」に過ぎるんですよ。霊的なものが、心に迫ってこない。でもそれは、無い物ねだりかもしれないですけどね。今回の演奏会は、そういうものではない、ということは自明、ですものね。

今年の最後を、第9ばりの祝祭「復活」で終えられた、そのことを感謝すべき。広上さん、市芸のみなさん、ありがとうございました。
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コメント


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ぐすたふさま こんばんは

なんと、行かれましたか!行きたかったなあ!でもご感想を拝見して、すっきりしました。でも20型は聞きたかったです。

広上さん、大植さんとはちがった方法で、京都市全体に責任を持つ、という姿勢なのでは、と勝手に拝察しておりますが、今後も、芸大の次は音楽高校へ、そして少年合唱団も、はたまたファイアーエンジェルズとそのバックバンドまで教えに行かれるのではないでしょうか、とかなり本気で予想しています。

京都百科 | URL | 2010-12-06(Mon)00:38 [編集]


Re: タイトルなし

京都百科さま、こんばんは
>
> なんと、行かれましたか!行きたかったなあ!でもご感想を拝見して、すっきりしました。でも20型は聞きたかったです。

義母が、京都混成合唱団と繋がりがあって(自身もアルトで合唱に参加することもある人なんです)、その関係で招待状が来たらしく、「復活」と見たとたんこすもす経由で私の所に・・・・棚から牡丹餅とはこのことで(笑)。義母も参加すればよかったのに、と思いましたが。
>
> 広上さん、大植さんとはちがった方法で、京都市全体に責任を持つ、という姿勢なのでは、と勝手に拝察しておりますが、今後も、芸大の次は音楽高校へ、そして少年合唱団も、はたまたファイアーエンジェルズとそのバックバンドまで教えに行かれるのではないでしょうか、とかなり本気で予想しています。

会場で、「きょうとシティグラフ」という冊子をもらいましたが、そのなかに広上さんと市長との対談が載っていて、実際に堀川音楽高校にも行っておられるような発言がありました。まさに、京都市全体をしょってたつ御覚悟のようでありまする。

大植さんが大阪を退かれる、まさにその時に、広上さんが京都におられること、これもなにかのめぐり合わせなのかもしれませんね。

ぐすたふ369 | URL | 2010-12-06(Mon)00:49 [編集]


復活の転回点

ぐすたふさんこんばんは。
20型の弦、それと200人の合唱というのはすごいですね!まさに年末にふさわしい復活だっただろうと、想像をめぐらしています。

>そして実はこの「復活」、この3楽章を転回点としたシンメトリー構造なのだということをまざまざとわからせてくれる・・・

復活の第3楽章の末尾の、トランペットを中心としたオケの盛り上がり、ここがこの曲の重要な転回点ですよね。このあと世界が変わって、アルトの歌が始まる。ちょうど3番の第三楽章の末尾のホルンとトロンボーンの斉奏のパッセージが重要な転回点となり、そのあと世界の次元がかわり、アルトの独唱につながっていくのと、まったく同じで、復活の中でもとても好きな部分です。こういう意味を明らかに聴かせてくれたという広上さん、いいですね。

じゃく3 | URL | 2010-12-07(Tue)21:42 [編集]


Re: 復活の転回点

じゃくさん、こんばんは。

> 復活の第3楽章の末尾の、トランペットを中心としたオケの盛り上がり、ここがこの曲の重要な転回点ですよね。このあと世界が変わって、アルトの歌が始まる。ちょうど3番の第三楽章の末尾のホルンとトロンボーンの斉奏のパッセージが重要な転回点となり、そのあと世界の次元がかわり、アルトの独唱につながっていくのと、まったく同じで、復活の中でもとても好きな部分です。

ここら辺、全く同意見です。2番と3番は、その意味では、同じことを繰り返してやっている、と言ってもいいかもしれないと思います。ただ、2番はやっぱり「青い」(そんなこといえるオヤジになったんだなあと思いますが(笑))。3番の方が、ずっと洗練されていると思います。

でも、この「青さ」が故の魅力があることも事実。やっぱり、この「復活」、名曲として、そして「祝祭曲」として、オケレパートリーに残っていくのだろうなあ、ということも、思わされた演奏でした。

ぐすたふ369 | URL | 2010-12-08(Wed)00:27 [編集]


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