不惑わくわく日記

大阪でコンサートをあさっています。

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これが同じ指揮者の同じブラ3か??・・・・大フィル・ブラームス連続演奏会III

これをして、大植英次を「策士」と呼ぶのが正しいのか、「山師」と呼ぶのが正しいのか・・・

大阪 ザ・シンフォニーホール
大フィルブラームス交響曲全曲演奏会III
大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
ピアノ独奏 フセイン・セルメット
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90

一見してわかることだが(実際の演奏もその通りだったのだけれど)、この演奏会の重心は2番のコンチェルト。極言すれば、この曲のためのようなものと言ってもいいようなヴォリューム比、ですね。

で、この演奏がまあ火を噴くような熱演(特に前半の二つの楽章)。セルメット氏、直近では大友さんと京響をバックにやったモーツァルトの21番のハ長調協奏曲(曲を間違えてさらってきてしまった、というアレですね)の記憶があるが(それ以前にもう一つどこかでコンチェルトを聴いていると思うのだが、思い出せない)、その印象から、ぐすたふくん、この人、どちらかと言うと音色重視の繊細なピアニズムと勝手に思っていたんですよね。ところがどっこい、ぎっちょんちょん(どこの言葉や)、そんな先入観を根底からぶった覆すような、ガンガンに鳴らすピアノ。ひえええええ、御見それいたしました、許して下さいませ、平身低頭、雨あられ、であります。

アイコンタクトを交わしつつ展開する大植さんの棒も、なにより大フィル自身も、このセルメット氏のピアニズムあおられるかの如く熱を帯び、鳴るわ鳴るわ・・・・下腹に堪えるような、おおおおお、これこそブラームスサウンド。まあ聴いている方としては、これよこれこれ!!これを聴きに来てるのよ!!!まってました!!てな感じですね。「ブラームス連続演奏会」の看板にうそ偽りはございませぬ、と言うところでしょうか。

その一方で、へえええええ、この曲こんな音がするところがあるんだ、という、耳をそばだてる繊細な響きや表現にも欠けていない(一番感心したのは、1楽章の再現部からコーダへのブリッジの部分。ここが、かなり錯綜した和声になっていて、下手すれば無調に近い響きがするのには驚きました)。ただただ熱いばかりの単調なものに陥ってはおらず、そこらへんいかにも「大人の音楽」ですな。

こういう「響きの繊細さ」は、3楽章で一層顕著。最近の大植さんの傾向ともマッチして、匂い立つような芳香を漂わせる。チェロのソリの透明な響き(客演主席の上森さんのソロの美しいこと!)は特筆もので、極めて心地よい音楽。

ただ、これらに比べてしまうと、4楽章が今一つの感を抱いたのは事実。でもこれ、この協奏曲の「竜頭蛇尾」構造(この曲だけじゃなくて、ブラームスには良くある、と書くと、ブラームスファンに殺されるかも(笑))のせいかもしれず、演奏のせいではないかもしれないけれど。

拍手もすごかったなあ・・・・セルメット氏、非常に満足げな表情だったが、これが決してステージマナーではなく、本当ではないかと思ったのは、アンコールでひいたさりげない小品から。この曲、なんていう曲なんだろうとロビーのホワイトボードを除いても「調査中」の文字があるばかり(!!)。思うに、これ、セルメット氏の即興だったんじゃなかろうか。そうだとするなら、そういうことをやろう、と彼に思わせるだけの演奏ができた、ということなんじゃないかなあ。

でですね・・・・さて、コンチェルトが終わりました。ブラ3です。ぐすたふくん、この前の定期の、あの、重い重いブラ3を聴いてますね。コンチェルトが、こういう演奏でした。予想しますね。予想しますよね。こんなんになるかな、あんなんになるかな。さああ、どんなブラ3が来るのか・・・・身構えていましたね。すると・・するとですね・・・

・・・・まさかこんな演奏が待っていようとは。

例えて言うなら、「外角低めに重いストレートが来ると思ってバッターボックスに立っていたら、いきなりど真ん中にフォークボールが来て、空振り三振」、って感じでしょうか。

だってだって・・・だれがこんな速いブラ3が来ると思います?思っていた人います?予想が当たった、っていう人があったら手を挙げて下さい。いないですよね?

いきなり大植さん、煽る煽る、大フィル走る走る。そうかと思ったら、止まる止まる・・・え?は?へえ?てな感じであります。そうかと思うと、1楽章から4楽章までほとんどアタッカ。2楽章と3楽章は比較的落ち着いていたものの、4楽章になったら再び突撃!の進軍ラッパ。大フィル大変。だって、この4楽章、それでなくてもパート間のリズムの絡みが複雑で演奏至難の難曲(だから、アマチュアは滅多なことでは手がでない)、このテンポで押し切るのは、ある意味スリリングの極み。

結論から言ってしまうと・・・ぐすたふくんの率直な感想としては、この行き方、ちょっと大フィルには荷が重かったのではなかろうか。オケの鳴りが悪く、前半のコンチェルトと比較すれば、明らかに音楽が腰高で安定に欠ける。別に早くても音楽が地に足を付けていれば、それはそれでかっと胸を熱くさせるところまでいくのだが、残念ながらそこまでは至らなかったですね。

ただしかし、この極端な差は一体何なのだろう?そして、大植英次は、どうしてここでこんなブラ3を持ってきたのか。

好意的に解釈すれば、「大植英次のブラームス」はマンネリズムとは無縁なのだよ、という主張なのだろうか?確かに、朝比奈御大もそうだったかもしれない。同じ曲をやっても、出来不出来は極端、同じ演奏などありえない。だから、CDもいろんなテイク、いろんなオケ相手のヴァージョンが次から次から出てくる。大植英次も、そうだ、ということなのだろうか?

ここまで、あえて他の誰の感想も見ないようにして書いてきたのだが、さて、今日のブラ3をみんなはどう評価するのだろうか?この極端な速さを、どう感じたのか?

そして、最後のブラ4、あのいわくつきの定期の過去を踏まえて、大植英次は一体何をたくらんでいるのだろうか?
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コメント


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アンコール

こんばんは。

ソリストのアンコール、大フィルのブログに掲載されました。アントニオ・ソレール/ソナタだそうです。

近年の大植さんは極端にテンポを動かしますね。往年のレオポルド・ストコフスキーみたいに(大植ファンはそのことを認めたがりませんが)。マーラーの5番もそうでしたが、毎回解釈が違ってスリリングで面白いと思います。

雅哉 | URL | 2010-11-07(Sun)01:41 [編集]


Re: アンコール

雅哉さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

> ソリストのアンコール、大フィルのブログに掲載されました。アントニオ・ソレール/ソナタだそうです。

私も、今、大フィルブログ見ました(笑)。知らんなあ、この作曲家・・・・
>
> 近年の大植さんは極端にテンポを動かしますね。往年のレオポルド・ストコフスキーみたいに(大植ファンはそのことを認めたがりませんが)。マーラーの5番もそうでしたが、毎回解釈が違ってスリリングで面白いと思います。

「なにわのストコフスキー」ですね。僕も同感です。

それでいいんちゃうかなあ、と思います。ただ、大フィルがもっと巧ければ。滅茶苦茶頑張ってるとは思うんですけどね。

ブラ4、どうなりますかねえええええ・・・・・怖いような、楽しみなような(^^;;)

ぐすたふ369 | URL | 2010-11-07(Sun)02:07 [編集]


ぐすたふさんこんばんは

実は全く逆の印象でした。
ピアノ協奏曲は実はリハーサルも見学していたのですが、
その時とテンポが違う・・・。バックハウスの名演になれた自分としてはちょっとどうかなぁって感じでした。

逆に交響曲はめちゃ楽しめました。3楽章はむせぶような哀愁が漂う感じ。4楽章はあれは・・・楽団員の力量を見極めるためでしょうか?
自分はオケは良くついてきていると思いました。
ただ、合奏が乱れたのは間違いないですけど・・・特に第1楽章はちょっとやってしまった感があるように感じました。

しかし、毎回毎回演奏を変えてくるって・・・すごいですね・・・ファンとしては楽しいです。

けんちゃろ | URL | 2010-11-07(Sun)17:39 [編集]


Re: ぐすたふさんこんばんは

けんちゃろさん、こんばんは。コメントありがとうございました。

HPを実はすでに拝見して、そうかそういう意見もあるんやなあ、と思っていたところです。

> ピアノ協奏曲は実はリハーサルも見学していたのですが、
> その時とテンポが違う・・・。バックハウスの名演になれた自分としてはちょっとどうかなぁって感じでした。

リハーサル、良かったみたいですね(JupiterさんのHPにも同じような書き込みがありました)。そういう意味では、定期と違って1回公演のこの連続演奏会、コンチェルトの立ち現れ方に、本番ではやはり何かあるんでしょうね。

> 逆に交響曲はめちゃ楽しめました。4楽章はあれは・・・楽団員の力量を見極めるためでしょうか? 自分はオケは良くついてきていると思いました。

聴いてる私の力量がついていかなかったのかもしれませぬ(笑)。

> しかし、毎回毎回演奏を変えてくるって・・・すごいですね・・・ファンとしては楽しいです。

同感ですね。このこと、すなわち、ブラームスをこれからも何回もやるんや!!!という意思表示、と取っていいんでしょうかねえ。

ぐすたふ369 | URL | 2010-11-07(Sun)19:47 [編集]


セルメット氏、本当にパワフルでしたね、左手の打鍵がズシンズシン背骨に響く様な感じで、あぁこんなピアニストも好きだなぁ~と思いました。
ちょっと見解が別れるかもしれませんけど。。。
それにしてもフライングの拍手が残念・・CDでは編集されるでしょうか?

jupiter | URL | 2010-11-08(Mon)02:10 [編集]


Re: タイトルなし

Jupiterさん、おはようございます。

> ちょっと見解が別れるかもしれませんけど。。。

僕も、今回のピアノの方が好きです。

> それにしてもフライングの拍手が残念・・CDでは編集されるでしょうか?

一応、十分最後の余韻からは間があったので、編集可能と思われます。しかし・・・・大植さん、ものすごい間を要求しておられましたね。

ぐすたふ369 | URL | 2010-11-08(Mon)07:20 [編集]


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