不惑わくわく日記

大阪でコンサートをあさっています。

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大人の愉しみ・・・・大フィルいずみ特別演奏会

まあ、こんな風に言ってもいいかと。

大阪 いずみホール
大フィルいずみホール特別演奏会<ウィーン古典派シリーズII>
延原武春指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
ハイドン:交響曲第7番「昼」
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調「田園」

実は、ぐすたふくん、延原さんを聴くのは初めて。テレマン室内管弦楽団が、大きなホールでの定期的な活動を休止したころにコンサートゴーアー活動を始めたので、残念ながらご縁がなかったんですよね。

で、延原さんが大フィルから引き出す音楽、かなり新鮮でした。

確かに「ピリオドアプローチ」なんだけれど、それ以上に「延原」節なんですよね。響きがとにかく新鮮。すごく澄んでいて、伸びが良くって・・・その一方で時々予期せぬ変化を見せる。悪いけれど、聖響君よりも一枚上手です。これは、ひとえに延原さんの「感性」、長年磨き上げた百戦錬磨の「芸人感覚」のなせる技なんやろうなあ、と思って聴いていました。

一番面白かったのは、やっぱりハイドン。せっかく大フィルでやるんやから、と編成に凝ってみたらしく、指揮者の周りに弦楽四重奏を配し、その外側に、8-6-5-4-2のストリングセクションを配するという構成。そして、そのストリングセクションもフルに鳴る場合と、1プルトだけが鳴る場合を設定して、音色とサウンドに緩急をつけた極めて面白い演奏。しかも、今回客演コンマスを務めた田野倉さんのノンビブラート奏法の美しいこと!だから、2楽章が一番の聴きものだったですね。只者ではありませんな、この人。

以前、この曲はミッキーで聴いたことがあり、そのころはまだコンサートゴーアーに成りたて、ハイドンがこんなバロック協奏曲じみた曲を書いていたということを目の当たりにするだけでわくわくしていたぐすたふくんも、すっかり嫌味なクラオタに育った今日この頃ではありますが(笑)、その時の演奏がどちらかといえば「モダン・バロック」と言っていい、柔らかな音色の一方早めのテンポでぐいぐい行く演奏であったのに比べれば、テンポは遅めで、いろんなところからいろんな音が飛びだす、その楽しさ、愉悦を存分に味わう、といった演奏だったように思います。これぞ、大人の愉しみ、って感じでしたね。子供には、わからんやろと(笑)。

そういった趣向は、モーツァルトの協奏曲でも一緒で、これも二楽章、ノンビブラートのヴァイオリンのすーっと通る蒼い音のシートの上に、ホルンの柔らかな響きが溶けるように横たわっていく中間部が絶品。要するに、前半の二曲では、こういう様々な音の美しさが、次はこれ、つぎはこれと、飽きる間もなく提示され、ある意味呆れるばかりの芸達者ぶりで、存分に楽しめました、というわけです。

ホルンの池田さんのソロは、欲を言えばもう一段安定さが欲しいところではありましたが、いい音色を響かせてはおられました。二楽章の冒頭の、ロンド主題の輝かしさなど、ほおおって思いましたもの。

ところが、「田園」・・・・こうやって、同じアプローチでハイドン→モーツァルト→ベートーヴェンと並べられると、それはそれで、ああベートーヴェンって実はこうだったんだ、と妙に説得されてしまうのだけれど・・・ぐすたふくん、1楽章のヴァイオリン、ボーイングに従って自然に減衰するまっすぐなロングトーンの美しさに酔いつつも、通して聴いてみると・・・やっぱり、こういう「演奏の美学」によって、ベートーヴェンを聴かせるにはちょっと無理があるのかなあ、少なくとも僕にはちょっと物足りないなあ、とも思ったのも事実。

最初はいいんですよ、しばらくの間は。いままでどの演奏からも聴いたことのない、新鮮で魅力的な音が、あちらこちらから聴こえてくる、その愉悦に身をゆだねる幸福に浸ることができる。でもね、やっぱり3-4-5楽章で、ううううん、って思っちゃうんですよね。ハイドンでは退屈しなかったのに、どういうわけかここでは眠気を誘ってしまうんです。

たしかに4楽章のバロック・ティンパニの打ち込みといい、ノン・スピカートでデタッシェで輪郭を整えた音の粒立ちの美しさ、ノンビブラート・レガートで受け渡される5楽章主題の白い白い美しさなど、特筆すべき点はいくらでもあるんですよ、あるんですけれどね・・・・

だから、やっぱりベートーヴェンっていうのは、時代を突き抜けているんだな、と思いました。そこには、何かがあるんやなあ、と。名状しがたい、彼岸へと連なる何かが。そのことが、これだけの演奏を聴かせてもらうことで、余計に際立つような気がしましたね。

でもそれは相手が「田園」だからであって・・・・ある意味、次回の8番、瞠目すべき演奏になるかもしれない、という期待を逆に抱かせるものであったかもしれないです。

でも、延原さん、なかなかの人でありますな。大フィルが、違うオケになってましたものね。こんな音がこのオケから出てくるとは。それに接することができたのが、一番の収穫だった今日でありました。
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コメント


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初体験ですね。

ぐすたふさん、延原さんを遂に聴かれたのですね!ノン・ビブラートで奏でる大フィルの音、新鮮だったでしょう?僕も延原さんのハイドン、大好きです。特に第2楽章、ピュア・トーンによるハーモニーの美しさは絶品でした。延原/テレマン室内オーケストラの第九、毎年12月にザ・シンフォニーホールでやっていますから、そちらも是非一度お越し下さいね。

雅哉 | URL | 2010-09-17(Fri)00:26 [編集]


Re: 初体験ですね。

雅哉さん、おはようございます。

> ぐすたふさん、延原さんを遂に聴かれたのですね!ノン・ビブラートで奏でる大フィルの音、新鮮だったでしょう?僕も延原さんのハイドン、大好きです。特に第2楽章、ピュア・トーンによるハーモニーの美しさは絶品でした。

同感ですね。やはり、ハイドンがぴったりくる、と思いました。実は、こういう音楽なんですよね。

もっといろんなハイドンのシンフォニー、延原さんで聴きたいものです。

ぐすたふ369 | URL | 2010-09-17(Fri)07:14 [編集]


そうでしたか

自分は大フィルにいくといいながら・・・いや・・・実はチケット買うつもりで、まさにぴあに行こうとした矢先に、センチュリーの奥田さんの訃報に接し、急遽センチュリーに変更でした。
正直いえば、なぜ日程を被らせた?と大フィルの事務局に怒りの抗議をしたい気分です(笑)

田園に関してはなかなか興味深く読ませていただきました。
自分が4番でうすうすながら感じた感じもありました。
ベートーベンというは「おもしろい」だけじゃいけないんですね。突き抜けた「魂の昇華」が必要なのかもしれませんね。

次回のいずみシリーズは絶対行きます!

けんちゃろ | URL | 2010-09-17(Fri)10:26 [編集]


Re: そうでしたか

けんちゃろさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

> 田園に関してはなかなか興味深く読ませていただきました。
> 自分が4番でうすうすながら感じた感じもありました。

ありがとうございます。今回、田園を聴きながら、4番の方が面白い演奏になっていたんじゃないかなあ、と思い、やっぱり行かなかったことを後悔などしておりました。

> 次回のいずみシリーズは絶対行きます!

そうですね、私も、出来る限り馳せ参じたいです。

ぐすたふ369 | URL | 2010-09-17(Fri)21:58 [編集]


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