不惑わくわく日記

大阪でコンサートをあさっています。

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これは、スカンジナヴィアン・ストリングスへの試練か?・・・京響定期

実に、チャレンジングなプログラム。これに挑んだ、京響弦セクション、さて・・・

京都 京都コンサートホール
京響第539回定期演奏会
尾高忠明指揮 京都市交響楽団
シベリウス:アンダンテ・フェスティーボ
シベリウス:組曲「ペレアスとメリザンド」作品46
シベリウス:交響詩「4つの伝説」作品22

オール・シベリウスプログラム。実はそれだけではない、ということに気がついたのは、実際に舞台上の編成を目にし、そして実際の音を聴いてから、なんです。恥ずかしながら。

このプログラムを組んだのは、一体尾高さんの方なのか、京響の方なのか、それとも広上さんの意向なのか?とりあえず、このプログラム、よおおおおおく見ると・・・・・ほとんど、弦ばっかりなんですよ。

弦楽合奏であるアンダンテ・フェスティーヴォは言うに及ばず、「ペレアス」の編成は、弦楽合奏にフルート1・オーボエ(アングレ持ち替え)1・クラ2・ファゴット2・ホルン2に打楽器という編成だし(ボーンもペットもなし!!)、「伝説」はペット3・ボーン3・チューバ1にホルン4(+1アシスト)というフルブラスを擁するものの、実際にこのブラスセクションが鳴るのは1・3・4曲目のごく限られた部分にすぎない(4曲目は盛大に活躍するけれど)。

だからですね(実は、ぐすたふくんアンダンテ・フェスティーヴォには間に合わなかったのだが)、徹頭徹尾尾高さんの指揮は、弦から様々なニュアンスを引き出すことに注がれていた、と思いますね。

で、実際のところ、通して聴いた感想としては、美しい瞬間には事欠かない好演だった、と思います。正直。

局面局面が真剣勝負のような演奏で、指揮者もひと時も集中力を切らさないし、オケ側(というよりもほとんどストリングセクション側、と言ってもいいかも)もそれに必死で食らいつく、という緊迫感がずっとあって・・・・それこそ、あるフレーズの美しさから次のニュアンスの透明感といった一瞬にさえそれぞれの妙味があり、どれがどうの、ということに、今いろいろ帰ってきて考えても躊躇を感じる。

それでも、僕がこれは、と思った瞬間を二つ三つあげるとするならば・・・・・ひとつは、「ペレアス」における「終曲:メリザンドの死」で聴かせたクライマックスでの弦の尋常ならざる緊張感と、それがほぐれていく音のうねり、二つは、「トゥオネラの白鳥」で見せた、アングレのソロやチェロのソロが弦のさざめきの水面から立ち上がっては再びその中に溶けていく、その時間の経過の美しさ、三つは「トゥオネラのレミンカイネン」、冷気の中に漂う氷の結晶のようなサウンドだとか、そのラスト、トレモロから立ち上がったヴァイオリン群が、ハイDの絶叫から中低音の大地を抱擁するかのような大きな息を吐ききった音楽を、ここは任せておけとブラスががっしりと受け止めるひとくさりなど。

他にも色々挙げようと思えばいくらでもあるが、それぞれはかなりマニアックな「細部」ですね。だから、決して派手な演奏会では無かったと思います。むしろ、かなり渋いもの。最近の、京響のド迫力イケイケサウンドを堪能するものではなかったです(でも、「伝説」の4曲目のイケイケ感は、これこれ、って感じで、不惑わくわくで満足でしたけど)。正直言って、よくまあ、京響弦セクション、がんばったと、賞賛の言葉を送るにはやぶさかではない。

ただ、ここまでできるとなると、もっと上を、と思ってしまうのだから聴衆というものは性質が悪い。これも、いちいち挙げていけば切りがない。木管のアンサンブルの合いの手に入ってくるヴァイオリンの音の立ち上がりが気合抜け、それはないやろおいおい、だとか、ヴァイオリンの絶叫の切迫感の描き分けが欲しい、悲哀なのか懸命なのか、それ以外の何かなのか、それが胸に来てほしい、だとか、ピアニシモの持続が緊張感をもっと湛えてほしい、そのなかでのニュアンスの変転があってしかるべきだろう、だとか・・・・ああああああああああああああ、なんて傲岸不遜・極道至極の嫌味なクラオタなんでしょう!!!!!京響のみなさん、ごめんなさい、許してくださいませ。

でも、あきらかに尾高さんが引き出そうとしていた音は、独墺系のマッシブなものではなく、「スカンジナヴィアン・ストリングス」(これは、ぐすたふくんの造語ですが(笑))のスカイブルーやエメラルドグリーンの音、と感じました。

で、僕はこれでいいと思うんですよ。むしろ、いつも書いていることだけれど、京響の弦は、この音を追求して欲しいと思うんです。無駄な力を込めて、音を濁らせる必要はない。むしろ、軽い弦でいいから、もっと音色の引き出しを広げて、表現力とその幅に磨きをかけてもらいたい、と。

今回のシベリウス、尾高忠明の棒の指し示すものは、京響のストリング・サウンドの目指すべき彼岸ではなかったか、そう感じる演奏会でありました。
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コメント


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 いきなりコメント失礼します。
 今回のプログラムですが広上さんと尾高さんとで決められたそうでしたよ(プレトークにて)。百人ぐらいしかお客さんは来ないんじゃないかと心配されていたそうです。
 あとアンダンテ・フェスティーヴォですが、かなりいいように感じました。いつも京響は1曲目いまいちなことが多かったんですが今日はよかったです。
 これからもレポート楽しみにしてます。それでは。

noyaki | URL | 2010-09-04(Sat)21:55 [編集]


Re: タイトルなし

noyakiさん、こんばんは。コメントありがとうございました。

>  今回のプログラムですが広上さんと尾高さんとで決められたそうでしたよ(プレトークにて)。百人ぐらいしかお客さんは来ないんじゃないかと心配されていたそうです。

そうでしたか。それで合点が行きました。今回のプログラム、広上さんの「いっちょ、うちの弦、しばいたってくれへんか」プロだったんですねえ。その前に、シベ2でがんがんにやった広上さん、「管の方は、わてがねじまいといたさかい、存分にやってくれなはれ、尾高はん」てなもんですな。

>  あとアンダンテ・フェスティーヴォですが、かなりいいように感じました。いつも京響は1曲目いまいちなことが多かったんですが今日はよかったです。

そうでしたか。でも、これ、想像がつきます。というのも、京都コンサートホール、こういう静かな曲で響きを確かめながら入っていけば、あの1曲目における「京都コンサートホール現象」が生じない、と思ってましたから。納得です。

>  これからもレポート楽しみにしてます。それでは。

ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

ぐすたふ369 | URL | 2010-09-04(Sat)22:43 [編集]


ぐすたふさま 拝見いたしました

本日も欠席で、おまけに夜に小ホールであったアマチュアの合唱団には、知り合いの方も出ておられたのに、これも欠席・・・

この弦は聞いておかねばなりませんでしたねえ。京響好きなものからすれば、欠点があっても、ここが直れば、もっとすごい、と、いずれ鳴るであろう音に感動することもあるものでして・・・

それより「京都コンサートホール現象」が普通名詞になりつつあるう・・・

それを払拭するのが、プロオケの仕事であるとは思うのですが。ましてホームステージ!

ところで私の次回のステージは8日の泉原さんのリサイタル。次いで大フィルのバッハは今のところ1日目の21日を予定ですが、ぐすたふさまはやはり2日目でしょうか。できることならご一緒の日にと存じます。それとも両日?

古都百話 | URL | 2010-09-05(Sun)00:38 [編集]


Re: タイトルなし

京都百科様、こんばんは。お待ちいたしておりました(笑)。

> この弦は聞いておかねばなりませんでしたねえ。京響好きなものからすれば、欠点があっても、ここが直れば、もっとすごい、と、いずれ鳴るであろう音に感動することもあるものでして・・・

私も、ここの弦の魅力、というものにも惹かれているこのごろであります。随分とヴァイオリン群の音がこなれてきて、いい感じですが、ふっと気がつくと、いつもながらヴィオラの音については全く印象がないことに気が付きます。やはり、ちょいとここらへん、何とかならへんかなあ、などとも思っているところです。

> それより「京都コンサートホール現象」が普通名詞になりつつあるう・・・
> それを払拭するのが、プロオケの仕事であるとは思うのですが。ましてホームステージ!

みなさん、同じことに気が付いておられるということを知って、ほっとしているところです(笑)。私が変なのではないと。

> 大フィルのバッハは今のところ1日目の21日を予定ですが、ぐすたふさまはやはり2日目でしょうか。できることならご一緒の日にと存じます。それとも両日?

このバッハ、連休の中日の二日連続と言う、鬼のような日程ですよね。水曜日がどうしてもだめな私、チケットは火曜日と交換していますが、月曜日が休みの火曜日というのは、しばしば飛んでもないことになっていることが多いので・・・・・神様のご加護があれば、ご一緒できると存じます(笑)。休憩時間(あるのかしら?)には、大抵ラウンジで飲んでますので、姿を見られたらお声掛けくださいませ。

ぐすたふ369 | URL | 2010-09-05(Sun)00:56 [編集]


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