不惑わくわく日記

大阪でコンサートをあさっています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

アンデルシェフスキのピアノの音と、リープライヒの棒の音と・・・・大フィル定期

ピアノが良かった。

大阪 ザ・シンフォニーホール
大フィル第448回定期演奏会
アレクサンダー・リープライヒ指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
ピアノ独奏 ピョートル・アンデルシェフスキ
アルト 小山由美
合唱 大阪フィルハーモニー合唱団/ザ・カレッジオペラハウス合唱団(合唱指揮・本山秀毅)
プロコフィエフ:古典交響曲ニ長調作品25
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番二短調K.466
プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」作品78

感心したのは、アンデルシェフスキというピアニストの音。

この人もポーランド出身とのことだが、これまでポーランド出身のピアニストに接するたび、それぞれが極めて美しい響きを持っていることに驚かされることを、今回もまざまざと感じさせられました。

弱音から強音まで、音の一つ一つが響きの衣を纏っているんですよ。だから、強音も混濁しないし、弱音に至っては、まあ良くこんな音が出せるもんだというくらいの「息をのむ」美しさ。

そんな音で弾かれるモーツァルトの二短調のコンチェルトは、まあ何とも「耽美的な」佇まい。ここまでくれば、古典がどうの、ピリオドがどうの、ピアノフォルテがどうのフォルテピアノがどうの、という些細な話はどうでもいいじゃないですか、という感じでありましたね。

で、この人がどれほど「ピアノの響き」に対して非凡なる感覚を有しているかを遺憾なくわからせたのは、アンコールに弾かれたシューマンの「予言の鳥」と「別れ」の2曲。下手すれば、現代音楽といっても通るくらいの、先鋭の音感覚がそこにあって、シューマンはただそれに題材を提供したに過ぎない、と言いたくなるくらいのもの。いや、ポーランド恐るべしですね。こういう人が出てくるバックグラウンドが、絶対にあるんでしょう。日本人には逆立ちしても無理かもしれない、と思わず独り言が口を突きそうになる。

ところが、バックにつけるはずのリープライヒ君の棒が導く音の響きが、このアンデルシェフスキ君の響きとは巧く溶けあわない!!というより、はっきり言って、邪魔です。せっかくのピアノの音が、これじゃ台無し。

バックだけ聴いてればまあそれもありかなあ、というものだけれど・・・・ちょっとねえ。

これでわかるかもしれないが・・・・リープライヒ君(僕の5つ年下だから、君付けでいいよね)の棒が導く音は、シャープで極めて明晰。改めて、道義さんの棒の導く音との近親性を感じた(偶然かもしれないが、道義さん、今日の会場に聴きに来てましたね。休憩時間、ラウンジでお見かけしました)のだが、一方で音の肌触りや表面のぬめりといったものに物足りなさを感じる。どうもささくれた感触がするんですよね。

それは、プロコフィエフの2曲で明らかで・・・・古典交響曲は、早めの小気味のいいテンポといい、モダンな音感覚といい、それはそれで魅力的な表情を見せるのだが・・・さてプロコフィエフってそれだけだろうか?実は、この人、モダニストである以上に、ロマンティストではなかったか。そんなロマンティストの甘い香りが、そこから吹っ飛んではいなかったか。

そして、大作、「アレクサンドル・ネフスキー」。最後の壮大な合唱の質感・量感は見事なものではあったけれど(今日の合唱のテナー陣には、最大級の賛辞を惜しむべきではありますまい。よくぞ、この難曲、ここまで)、さて、途中のフォルティッシモの各場面、ただただ騒がしいばかりのがしゃがしゃした音像に堕していたといわれても仕方のないところも、無きにしもあらずではなかったかしら。

こうして見ると、このリープライヒという人、練習を緻密にやる人ではないのかもしれないなあ。わりと、雑把にざっくりと纏めてくるような人のように見受けましたね、今日は。

前回客演した時の2008年の記事を見直すと、「テンポが性急に過ぎ、音楽に落ち着きがない。そして、表現が表面的に過ぎる」と書いてました。ああ、やっぱり同じなんや、と思いましたね。じっくりと練り上げて行く、という趣には欠けるんだろうなあ。

正直に告白するなら・・・僕としては、この人には大フィルを任せたくはない、と思いますね。たまに来てくださるのは、大歓迎だけれど。

でも、この時期に日本に来てくれたこと、そのことには本当に心から感謝したいとは思っています。ありがとう、リープライヒ。





スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。